2030年アパレルの未来

以前読んだ本の内容を見返したかったので。

 

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筆者が出版されたのは2019年5月。今読んでも新鮮であり、何度読んでも納得のいく内容である。アパレルに従事されている方は是非、そうでない方も面白いとおもう。

 アパレル不況と言われて久しい。それは全世界かもしれないが特に日本がそうなのではないか。その原因について筆者は高齢化とデジタル対応の遅れを挙げている。実際にアパレル事業者数はバブルのころから比較すると4分の1まで減少している。これは、生産工場の国外移転やコスト圧力に耐えきれず多くの川上、川中の工場が廃業したから。2030年に向けて川中、川下でも企業数の減少に拍車がかかるとのことだ。2030年にはアパレル企業数が半数になってもおかしくない状況という。

では、どうすれば日本のアパレルが再度、活性化するのか、 

縮小する国内市場ではなく、海外市場に目を向ける

海外で売れる純国産ブランドを育てる                        

この2つが必須。いわゆるハイブランドで勝負するのではなく、ここで言っているアクセシブルラグジュアリー市場で勝負をするべきだと筆者は言っている。

ハイブランドではないデザイナーズブランド領域を土俵とするのが現実的とのことだ。この本の中ではコムでギャルソンを成功例にだしているが、なるほどである。日本らしさの付与、独自性、ビジネス基盤の確立。同質化した国内で評価されるブランドではなく、最初から世界基準を見据えたブランドを作ることが重要なのだ、と。BTSのように韓国(韓流)グループが米国を中心に世界規模を見据えて活動しているのと同じことだと感じた。

 

ひと昔であれば、ある程度の大きな流行の波を読みさえすれば売れる世の中だったが、ダイバーシティと言われ、Z世代の趣味嗜好もありとあらゆる方向性を持ち多様化いしている。どこの誰に伝えたいのか、知ってもらいたいのか、売りたいのかを明確にして、訴えたい世界観を届ける、しかもデジタルネイティブ世代が消費の中心になっているなかで、今までとは全く違う売り方で。もしかしたら、このアパレル業界が、かなりデジタルから遠いものとなってしまっているようにも感じた。

 

以上